そら

バイトの10分休憩中にぼーっと空をみながら考えたこと。
その淡い水色は、そのぬるい青さをこのまま保とうか、灰色の不安をいっそ押し出してしまおうか、雲という名の白いため息をつきながら迷っているように見えた。
迷いながらながれる淡い水色のそらは、なんとなく自分のようで、親しみを覚えた。

午後、天気予報では予想されていなかった雨が降った。
あの淡い空は不安を選んだのだ。

夜が近づくと、反省したかのようにしっとりと雨は降り止みだした。
いいんだよ、たまにはそんなときもあるさ、と不安の雫に濡れた地面を見つめながら、
紺碧へと色を変えたそらに向かってつぶやいた。